第9回運営委員会 資料

                       開催日:2003.03.15

 

提供話題のサマリ

 

信州大学工学部

石田 汎

 

 

◎汎用ドメイン.jpの扱いは?

 

信州大学では「信州大学.jp」と「shinshu-u.jp」を登録・維持していますが、まだ使用開始していません。多くの大学でも似たような状況にあるかと思います。

また、特定の業者に取られた「信州大.jp」は一年程度維持された後、売りに出され他の業者にわたり、三年目に、維持を放棄しています。

NIIJPSRWIDEなどが汎用ドメインのDNSサービスを引き受けてくれるとの情報が流れましたが現在どうなっているかは不明です。自サイトのDNSサーバへの登録作業もそんなに難しくないようですが、各大学の実施状況や現状の情報提供をお願いしたい。

 

IPv6の導入は?

 

まだまだIPv6を導入して使っておられる大学は少ないと思います。信州大学はまだIPv6には取り組んでいません。

東大のDNSは既にIPv6が使えるようにIPv6のアドレスが割り振られているようです。他の大学でもIPv6を導入し利用されている大学がありましたら、導入の手順や手続き、ネットワーク上の必要な設備、使用上の経験談など披露していただけたらありがたいです。もっとも、どこの大学でも実験的や評価のために試用されているところが殆どだと推察しています。これから、導入しようとする大学にとって参考になるかと思いますので、各大学の実施状況や現状の情報提供をお願いしたい。

 

◎建物新営と学内LANのケーブリング計画の在り方

 

 信州大学の工学部で、この2月大学院総合研究棟(8階建て)が完成し、3月6日に教職員に建物内の見学会がありました。この建物は、官公民のプロジェクト室、各学科の情報処理教育演習室、学生実験室、教官会議室などがあり、建物の各部屋に100BASE-Tのポートが48ポートx(

1~2)取れるよう各フロアにケーブリングされています。信州大学のバックボーンは1GbEネットワークで建物間は1GbESMFが貼られています。キャンパス間全部が1GbEの光Fになったばかり(2月から運用)です。GbEハブは各キャンパスの総合情報処理センターの機器室に集中して設置されています。(減価償却期間が終了していないATM-SWも一部残っています。)

現状の学内LANのネットワークはATMネットから GbEネットに移行した大学が多いと思いますが、現状の建物内に現在普通に使用されているカテゴリ5(5E)でケーブリングしてネットワークを組んで何年持つかとふと疑問になりました。建物間は、ATMネット時代(速度156Mbps)MMFからGbEではSMFに張り替えました。いずれパソコン/サーバ/ルーターのインタフェースも100BASE-TXから1GbE/10GbEに切り替わって行くかと思います。その際、再度建物内のケーブリングのやり直しが伴います。

 信州大では現状での接続しか考慮せず、将来的なケーブリングは検討しないまま、100BASE-TXでケーブリングした建物が完成してしまった訳ですが、これから建物を新営される各大学の場合、将来的なケーブリング計画のもとネットワーク計画をしていただけたらと話題を提供する次第です。皆さんの知恵とアイデアで近未来のケーブリング計画について議論しておくこともよいかと思います。

 なお、信州大では、GbEのルーターは各キャンパスの情報処理センター機器室に集中し、各建物にはGbESW-HUBを設置しています。

 

 

◎マルチホーミングの実施?

 

 信州大は、SINTのノード機関となっていて、NIIの一橋ノードに帯域 90Mbps(信州大学の専用帯域として相互にSHAPING接続)で接続されています。周辺大学の割り当て帯域は90Mbpsに含まれていません。大学の出入り口(ボーダー・ルータ)はSINETバックボーンに1カ所に接続されているだけで、このSINETノードの停電や障害のたびに、学外接続が停止してしまうのが現状です。

 最近、NTT他で、100MbpsFTTHサービスが始まっていますが、家庭での常時接続サービス契約するにはADSLに比べ費用が高いかと思われますが、大学のレベルでFTTP100Mbpsで第2の学外接続として「帯域と費用」から検討してもよい時期になってきているかと考えます。

 信州大ではまだマルチホーミングは導入していませんが、SINET90MbpsFTTH100Mbpsをマルチホーミング接続で学内への2経路接続が想定できます(学内的にはまだ検討されていません。)。他の大学でも、インターネットの高度利用に伴って、停止しない学外接続を確保することが近い将来必須になってくるかと思います。

 マルチホーミングをADSL接続レベルで行っている(行った)大学もあるようですし、マルチホーミング用機器も市販され始めてきた用ですので、ATRAINに参加されている大学でもこれらの情報を共有すべく、現状や計画の可能性、導入技術背景について議論しておいても良いかと考え話題として提案した趣旨です。

 

  

◎その他

 

1)信州大学のキャンパス間接続(4キャンパスと1団地、1センター)が完成しましたが、要望があれば、敷設の経緯や苦労話の情報を提供します。

 

2)キャンパス間接続のWDM(波長分割多重)導入についての近未来の将来計画(考え方)について、もし要望があれば、参考情報を提供します。