私立大学におけるネットワークサービス、
運営管理の現状と諸問題

_南山大学における事例と私情協のとりくみー

南山大学数理情報学部情報通信学科 後藤 邦夫

goto@it.nanzan-u.ac.jp

 

1. 現状

  利用者と接続形態の概要

・学生数 約8000 (7学部、大学院)

・専任教職員 500名弱、

・2キャンパス(名古屋 5学部、瀬戸 2学部) (キャンパス間: 1.5Mbps)

・LANポート数(瀬戸 4300、名古屋 2000以下)

・インターネット接続: 電力系(3Mbps)、SINET(1.5Mbps)

・ダイヤルアップ利用
ISDN PRI*2 (名古屋、瀬戸各1)
専用ダイヤラによる無料ISP (暗号なしVPNは有料で検討中)

図1. ネットワーク構成概要

  サービスの特色

・授業登録などの情報サービス、教室Windows機、電子メイル利用のために、入学後すぐに全員を利用者登録。

・瀬戸キャンパス(2000年4月から)のノートPC全員貸与

・瀬戸キャンパス教室LANはプライベートIPアドレスで構成し、
MACアドレスを使ったホスト認証つきDHCP (現在ではユーザ認証VLANが有望か)

・VPNダイヤルアップサービスの検討

2. 課題

・ユーザ教育の実態 _ 最低限は利用登録時に済ませているが、情報リテラシ的授業での扱いは不統一。

・管理者が足りない _ 一部派遣職員、IDSの警告を見て、分析し対処できる人材

・学園内他校の支援

・学内の教員組織、学生へのセキュリティ関係情報流通が不十分

・運用管理のための調査研究の余裕がない _ 真面目にマルチホーム、学内Multicast routing, IPv6実験 などやりたいが。

・Webと電子メイルの利用だけの教員には、グローバルIPアドレスはいらない?

・どこまでサービスすべきか? 自宅でのADSL、CATVインターネットサービス利用が増えている。

・学外からの安全な利用方法の提供?

・問題整理のきっかけとして、セキュリティポリシをつくろうとしている。

3. (社) 私立大学情報教育協会のとりくみ

・セキュリティ問題 _ 不正侵入対策小委員会 (セキュリティポリシ作成ガイド、IDSの設置モデル)

・情報倫理教育 _ 情報倫理教育振興研究委員会 (情報提供、交換、教材、授業実施方法)

・LAN管理者講習会 _ 学内LAN運用管理小委員会 (年1回の講習会)

・文部科学省の半額助成金制度の加盟校における活用 (ネットワーク管理、回線費用等)

・加盟校のネットワークサービスの事例紹介など


関係URL http://www.shijokyo.or.jp/LINK/report/report2.htm (報告書等)