大学ネットワークサービスと学外アクセスの動向

高千穂大学 情報メディアセンター長
鈴木 一成


第7回Index

本学がTRAINに参加し、インターネットに接続したのは1994年であり、接続速度も128Kbpsであった。その後1996年に1.5Mbpsへ増速し、現在ではSINETへ100Mbpsで接続している。学内ネットワークもイエローケーブルから、ギガビットイーサ用光ファイバ網に変わってきた。

大学のネットワーク環境が変化する一方で、学生のインターネット接続環境も、急速に変化している。

アクセス手段

1996

1999

2002

普通の学生

大学のみ

電話回線

携帯電話

一部の学生

電話回線

ISDN回線

ADSLFTTH

学生サービスの一環として、本学でも1999年に学生向けにダイアルアップサービス31回線を開放した。当初利用者は10名程度であったが徐々に増加し、2001年では約50名の学生が登録していた。利用者が少ないのは、アクセスポイントが都内だけに限られているからである。他県からのアクセスには、プロバイダ経由の方が経済的であるので、Windowsの仮想プライベートネットワーク接続(PPTP)による接続サービスも開始した。学内のメールサーバなどへのアクセスは学内ネットワークのみから接続できるように制限していたので、メールユーザはダイアルアップまたはVPNを利用することになった。Windowsの設定にハードルがあるのかVPN利用者は2000年ごろまで登録者10数人であったが、2002年には数十人になっている。これはケーブルやADSL、FTTHなど常時接続の利用者が増えてきているためであるようだ。したがってインターネット利用だけに大学に来る必要はなくなり、大学のネットワークに魅力を感じない学生もいる。

メールサービスのためだけにVPNを設定するのは、技術力の少ない学生にとっては難しいことなどから、2002年度よりIMAP4とSMTP認証を利用して、学外からメールサーバにアクセスできるよう変更した。したがってメールアクセスのみならVPNの設定は不要になった。学内WWWサーバへのアクセスや自分のホームページの更新のためのFTP接続などが現在のVPN利用の目的となった。

個人でブロードバンドでインターネットに接続できるようになった今、大学のネットワークに接続する必要があるのは、学内に有用なコンテンツや資源が存在するときだけであり、これからのVPNの利用は学内コンテンツ・学内コンピューティング資源へのアクセス用と考えている。これからは、遠隔授業(自宅にいながら授業に参加)やWindowsターミナルサービスを利用した特定用途ソフトウェア利用(EduASPサービス)などの利用や開発を進める予定である。