第9回運営委員会議事録
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日 時:
平成15年3月15日(土) 14:15〜18:15
場 所:
東京大学駒場キャンパス 数理科学研究科棟 052号室
出席者:
一井、椎橋、奈古屋、鈴木、石田、小野、小川、杉本、中山、沼部、疋田、水谷 各委員
議 事
【報告事項】
a-train活動趣旨
www.a-train.org に掲載済み。
メール運用方針
www.a-train.org に掲載済み。
nfo ML勧誘郵政スパム(担当 椎橋、鈴木)
来週半ばくらいに276通を発送予定。
郵便大量発送は大変,送料だけでも結構な経費がかかる。
【審議事項】
大学センター間メーリングリストについて(担当 小野)
小野委員の発案により審議を行っている。現時点では、下記の検討すべき課題が残されている。
登録者をセンター関係者に限るのか?
各センターの窓口を強制登録するのか?
スパムメールではだめなのか?
モデレータによる投稿内容のフィルタが必要か?
モデレータの負荷が高くなるのでは?
今までなぜこういうMLがなかったのか? 必要性ないのでは?
投稿可なイベントの範囲は?
アンケートの投稿は認める?認めない?
登録者情報の公開の範囲は?
これらについて審議の結果、さらに検討を続けることになった。
収入源の問題について
現在の残予算はわずかであり、活動に必要な経費を確保するためにスポンサーを探すべきではないかとの意見が出された。
審議の結果、現在の活動内容であれば資金は5年以上まかなえることで一致し、今後活動が活発になり資金が不足することが予想された段階で再度検討することになった。
次回の開催について
平成15年5月17日(土)または5月22日(土)のいずれかに高千穂大学で開催し、同大の中山委員が LA を担当することになった。開催日は上記から後日決定する。
審議の内容は、今回の話を踏まえてた今後の方針の検討とし、研究会は行わないことになった。
第2回研究会(今回は運営委員会として開催)
各大学におけるネットワークにまつわる現状の問題点などについて、各委員から話題を提供する形式で討論を行った。
椎橋委員(埼玉医大) 医科単科大学 学部1学年100人程度
学内では、キャンパス移転を機に、事務の電子化や認証VLANなどが話題になっている。
また、非情報系専攻の大学として高校で情報必須になった場合の大学での情報教育はどうすべきかについて議論したい。
(途中退席のため、議論の結果は無し)
杉本委員(都留文科大学) 文学部のみで定員590人
情報センター教職員の定員は1名で、あらゆることをこなさねばならず大変である。
就職に役立つ資格取得などを前提とした情報教育カリキュラムの再編成に取り組んでいる。
学生アンケートの結果、
入学時には3割がパソコン所有
卒業時には9割がパソコン所有
そのうち8割はノートパソコン所有
こういう情勢にあわせた基盤整備が必要ではないかと考えている。
昨年夏にホットスポットを作った。最近の情報環境についての疑問がわいている。
沼部委員(東京医大) 医科単科大学 学部1学年110人-120人
医学と看護の学生向けに情報教育を行っているが、教員の半分以上は臨床系で情報処理のスキルはあるので問題はない。
自前でWWWサーバを立ち上げてコンテンツを掲載しているが、教養系の教員のスキルが低い。
学生向けの設備は立派だが使われていないのが現状。医科系大学ではパソコン強制購入派が多いが、本学ではまだそうではない。代わりに新入生全員分のノートパソコンを用意して貸しだしている。
中山委員(高千穂大学) 文科系単科大学 1学年700人くらい
まったく初心者の学生が入学してくる、環境整備の方針が学内で一致しない、などの問題を感じている。
学生の大学のメールアカウント利用者が減っている。使わせるためにはどこでも使える環境が必要であり、IMAP + WebMail を導入したら利用率倍増した。この利用の増加のほとんどはWebMailの効果だった。
ノートパソコンの購入については、特定製品の推薦はしているが強制はしていない。所有率は入学時で3割、卒業時には9割になる。無線接続環境を構築したが、認証が必要、MACアドレス制限の煩雑さなど運用の問題が懸念されたが、ユーザID認証に OpenGate を使った。半年使用してみたが、かなり使えた。来年度からはバーニヤ製品を導入の予定。
武蔵大学ではアルカテルの製品を導入済み、なかなか使える。
石田委員(信州大学) 8学部12000人
メールサーバやWWWサーバは部局単位で運用している。メールの容量制限でbounceするメールが増えている。
汎用JPドメイン サイバースクワッターを警戒したが何も起きなかった。
IPv6 への対応はどうすればいいか検討中である。
建屋の新築・改築時のネットワーク整備で、建屋内はCAT5、建屋間はシングルモードの光ファイバとしたが、ファイバーをもっと活用すべきではないかという疑問を持っている。
SINET一本では対障害性に欠けるのではないかという疑問があり、マルチホームの必要性を感じている。
地域ネットワークとして信州大附属の初等中等学校と市内の学校との接続や防災ネットの必要性なども感じている。
一井委員(東京大学)
学部学生の位置付けがよくわからなくなっている。
学部生が大学のメールアドレスを使うのは就職時で、u-tokyo.ac.jpのブランド価値は認識している。
他大学でも同様の現象が見受けられるので、わりと普遍的なことのようだ。
院生は部局単位で提供されているサービスを利用しているが、サイエンスとしての情報教育が、専門家向けにも、非専門家向けにも必要ではないかと感じている。
大学でもファイアウォールが導入され、キャンパスが研究の場として使いにくくなっている。
小川委員(女子栄養大学) 学生総数2000人弱 + 短大と専門学校
図書館に所属、かって学内LANを敷設した、いまは運用管理を外部委託している。
図書館のコンテンツとして高度情報化特別経費(文部科学省)を受けて「栄養と料理」
http://eiyotoryori.jp/
を開設した。キーワード索引など、検索部分は外部委託した。旧字の扱い、著作権チェックなどで苦労した。
電子図書館計画については高額の予算が必要なため早急には実現できないが、平成20年までかけてじょじょに文献の電子化をすすめる計画である。
図書館主体の補助金がないため苦労しているが、科研費のは全額補助なので用法方と考える。
鈴木委員(東洋大学)
キャンパスLANのインターネット接続について、対外接続回線を今度のGWに、一部のキャンパスで ATM 3Mbps からメトロイーサ 100Mbpsに変更予定である。IPv6化も予定している。
1年ほど前にマルチホーム化した。マルチホームのメリットとして、対外接続の工事が容易になる点があげられる。デメリットとしては、BGPルータの障害に弱いことがあげられる。
ダークファイバーの利用については、検討はしたが使えないところがあったため見送った。
キャンパス間の相互接続については、以前はFDDIであったが、現在は広域イーサネット(一般用)とATM(事務用)で使い分けている。
附属高校(2校)では、高校間でTV会議を検討している。
事務局は4キャンパス(附属高校を含めると6キャンパス)に分散している。大学全体の面倒はセンターがみている。キャンパス間を走り廻る必要があり非効率。
センターは、インフラ系が担当だったが、コンテンツ系も統合される方向である、セキュリティ系も担当する方向である。
教育に関しては、工学部の3-4年生が就職説明会でメールの話を聞いて「使い方を教えてください」と言ってくる現状に疑問を感じる。
疋田委員(明海大学)
情報処理の一斉授業はこれからは不要であろう。
利用者から見て自由度の高いWWWサーバを実験的に立ち上げてみた。
コンテンツのアップロードを自由にしたとき、卒業生の氏名、卒業論文名を掲載した例があり、被害を受けた卒業生から苦情があった。
※この件について、下記の意見があった。
会社に無断の社会人入学が会社側に発覚して問題になった例がある。
在籍情報を公開したくない人がいる。
迅速な対応が必要。
学生のうまいものランキングで苦情があった。
本人の知らない間に個人情報が公開されるのが問題。
卒論執筆時に公開されるということを周知しておく必要がある。
個人情報の保護される範囲はどこまでなのか?
教員任せではなく統一した方針が必要。
論文盗作の原因にならないか?卒論は図書館に所蔵するよう文部省から指導があった。つまり卒論は一般公開前提ということだろう。
自分のものが無断で公開されるのはよくない 。著作権者に許諾が必要。
水谷委員(東京情報大学) 学生数2500人
教育用にパソコンを500台用意しているが十分なのか足りないのか判断しかねている。
3月までに全教室に無線LANを設置する予定である。面積カバー率はおおよそ100%になる見込み。
商用製品で認証VLAN導入を予定している。
ノートパソコンを講義中に使っている学生を教員が注意した例がある。全学で、使用を認めるよう方針を決定した。
学生のノートパソコンの所有率はおおよそ20%程度。
ノートパソコンをすでに持っている学生への対応、講義ではXPが必要だが私物は古いOSであるなど、情報教育システムの更新計画に苦慮している。
講義中に内職する学生への対策として、学生の背後側に教員に配置する、画面監視を行うなどを考えている。
大学でのリテラシー教育に疑問を感じている。
※この件について、下記の意見があった。
信州大では端末700台を用意している。学生にノートパソコンを強制購入させている部局もある。国費留学生には貸与し、私費留学生には買わせている。
東洋大では学生の講義中の内職が問題となり、学生の端末の画面を教員端末へ転送、監視できるようにした。ただし、講義の最初に監視のことを学生に説明している。これにより内職が減った。
内職をやる学生はほっておくべきでは?
情報リテラシー教育の必要性は人によって千差万別なのに一律に押し付けるのには疑問を感じる。
学生の中には、コンピュータ嫌いで文系に来たのになぜ?という意見がある。
数学だと、文系だろうと最低限必要な教養がある。情報にもそういうものがあるだろうけがワードエクセルではない。
教職単位取得のため受講する学生が多い。
都留文化大は公立なので、市役所の面倒も見ているので仕事が多い。
役所は人事異動が頻繁でスペシャリストが育ちにくい。
※小中高における情報教育についても議論があった。
高校の情報教育はセンター試験に入らないと数学になってしまう可能性もある。
情報AとCはやるのではないか。
大学新入生の格差が広がる可能性が高い。
学内で補講するのか、学外にまかせるか?
就職指導と同じようなものと割り切るべきか?
エクセルは本当は奥が深い。
世の中で必要な統計は小中高でばっさり切られている。大学で教えるべきではないか。技術統計は数学科でも教えていないのが現実。
奈古屋委員(一橋大学)
ホットスポットもどきをやっているが利用者が限られている。
メールサーバの利用者が減っている(学部生)。ブロードバンド化の影響かもしれない。
ディスクレスWindows端末は、通常のパソコンに比べてかなり高価だが、それに見あう費用対効果があるのか否か疑問である。
各大学で各々端末群を整備するよりは、まとめてやった方がいいかもしれない。
小野委員(武蔵大学)
大学の情報センター機能を学内で準備するのと外注するのは、経費面でどちらが有利かという疑問を持っている。
大学の採算が取れる規模は学生1万人以上くらいであり、小さい大学では情報センターは無くなっていく可能性がある。
以上