第7回運営委員会議事録
日時: 平成14年9月16日,17日
場所: 富士レークホテル(山梨県南都留郡河口湖町船津1)
議題: 1. 第7回講演会の成果について
2. TRAIN協会の今後の運営について
3. その他
出席者:
青山耕治 安藤英俊 石田汎 一井信吾 小川禮子
小野成志 椎橋実智男 杉本光司 鈴木浩充 奈古屋広昭
中山雅哉 沼部博直 疋田春水(17:30から)
牧野晋(16:30から) 水谷正大(18:30まで)
小野成志(記録)
議事:
土屋運営委員長欠席のため、中山運営副委員長が議長に指名された。
1 第7回講演会について
中山委員より報告があった。
井上先生の特別招待講演と5大学の運用管理事例が紹介された。
参加者も従来より多かった。好評な講演会だった。
2 TRAIN協会の今後について
土屋委員長のメール「[A-TRAIN:1084] Re: 次期会議の出欠について」が読み
上げられ、それに基づいた議論が展開された。
(1)現在までの活動の反省
[土屋委員長のメール]
「ターゲットとするオーディエンスを特定することができなかった」
との指摘に基づいて議論がなされた。
第1回「講演会魅力的なWebとそのセキュリティ」
第1回実行委員からは、第1回から、テーマが総花的で対象を絞りきれてい
ない傾向があった、という指摘が聞かれた。
しかし、他の委員からは、第1回はむしろターゲットが明確で、非常に良
い講演会であったとの意見が出された。
第2回講演会 情報倫理
KIUとの共催という体裁をとったが、初等中等教育とTRAIN協会の関わりが
明確でないままに共催になってしまったところに問題があったとの指摘が
あった。
また、この講演会以降各講演会の準備不足の問題が常に発生していたとの
指摘があった。
これ以降の講演会は、平行していくつかのプロジェクトが走り、次々と実
施されて行くという方法をとったため、準備不足と対象の不明確さという
問題が露呈することになったのではないかとの指摘があった
第3回講演会 無線ネットワーク
第3回実行委員からは、題材は良かったがもっと工夫の余地があったとの指
摘があった。
準備ができず、現場で調整した部分がたくさんあったとの指摘もあった。
第4回講演会 マルチメディアとコンテンツ
第4回実行委員からは、「オーディエンスを特定することができなかった」
という点では典型的だったかも知れない、との指摘があった。
準備不足という点では、随分早くから立ち上げたにも関わらず、広報が間に
合わず、投資した経費に見合う効果があげられなかった点も指摘された。
ローカルアレンジがいなかったため、準備だけでなく、講演当日も混乱し、
LAの重要性も指摘された。
高名な方をお呼びする場合は、TRAIN協会としてのターゲットを明確に提示
することが困難であり、こうした講演会の運用の難しさについても指摘が
あった。
第5回講演会 「遠隔講義の光と影」「BOF不正検知システムとウィルス対策」
第5回実行委員からは、パネルディスカッション「遠隔講義の光と影」はよ
かったが、BOFはうまくいっていなかったとの指摘があった。
業者が期待通の対応をしてくれなかったことも問題との指摘があった。
第6回講演会 「どう進めればよいの?教育の情報化」
KIUとの共催であり、KIU主導ですすめられた。
参加者は、WEBを見て参加した大学からの参加もあり、面白い部分もあった
との指摘があった。
第7回講演会 「大学のネットワークの過去,現在,未来」
参加者には大学関係者が多かったとの指摘があった。
終わったあとで「最初からこうすれば」という意見も出されたとの指摘があっ
た。
以上の各講演会の総括に基づき、意見が交換された。
[活動のゴールの不明確さについて]
<大学の中のセンターという位置づけ>
●大学一般の問題を扱うのではなく、大学の中のさらにセンターという立場を
明確にするほうがよかった
<精算団体としてのTRAIN協会>
●活動が性急すぎたことも原因ではないか
●精算団体という位置づけもあったので早く資金を使いきってしまいたかった
という側面はある。
<初等中等教育との関係>
●KIUとの共催で、初等中等教育という問題が入り込んできたが、これもゴー
ルを曖昧にしたのではないか
●大学のセンターから見た初等中等教育という立場もあり得た。例えばやって
くる学生の情報システムに対するスキルを知るとか
● 現在の初等中等教育の教科書は非常に難しい。今後は、出来る生徒とでき
ない生徒の格差が極端に出ることになるだろう。
<技術研修>
●技術研修のようなものはできなかったのか
●旧東ワ連のような研修は東大の施設があるから出来たので、同じようなもの
はTRAIN協会ではできない
●第3回はそのようなものも目指して多少うまくいった部分もある
●活動普及と技術研修のような内部活動を選択するという議論が初めにあった。
実際の活動してみると、講演会ばかりで内部活動がなくなってしまった。
<その他の活動>
●セキュリティ問題のように、わかっている人は非常に良くわかっているけれ
ど、大部分の人は良くわかっていないというような問題をセンターは抱えて
いる。そういテーマを取り上げても良かった。
●先進事例の紹介とごく普通の大学が行っているネットワーク管理の事例を組
み合わせた発表とかがあれば良かった。
<TRAIN協会の意義>
●TRAIN協会の他の団体と比較しての優位性は、国公立の担当者が集まってい
ることであり、このような団体はないのではないか?
[準備不足について]
<ゴールとの関連>
● 取り上げているテーマは悪くはない。ターゲットの問題と準備の問題がある
● TRAIN協会は精算事業という認識があり、早くクローズにしてしまいたいと
いう意識も働いて、拙速になっていた部分はある
<手間の軽減>
● 講演会形式だから手間がかかる。ITRCなどはもっと手軽にやっている。人
を集めることが目的でなく、皆が集まって手を動かすようなイベントなら
そのような苦労はなかったのではないか。
● 無線ネットワークは、手を動かすという目標を持っていたが、実際準備不
足でもできたのは、偶然会場に無線LANのベテランがやってきてくれたこと
が大きい。
● どんな活動でも準備は相当程度必要ではないか
<業者との関係>
●業者にまかせてしまうという手はないのか
●業者にまかせてしまうのは、インターオペラビリティテストにしかならない。
うまく行くケースが少ない。
以上の議論について、以下のように総括された
過去の反省としては、
●大学の中のセンターのスタッフの集まりという位置づけをもっと明確にした活
動をすべきであった。
● 準備不足という問題は、常について回る問題であった。ただし、現在のと
ころ良い解はない。
(2) TRAIN協会のゴールとして考えたときの「大学におけるネットワーキン
グに関する現状の認識」
[土屋委員長のメール]
TRAINが誕生してから10年たって、大学が構内ランをもち、インターネット
に接続することは常識となった。しかし、その構築手法、運営方法につい
ては確固たる基盤があるとは考えられない。
…
a. 学会ベースのもの
b. 大学設置者の種別による取組み
c. 地域ネットワーク
d. 業者のイニシャティブによるもの
…
との指摘に基づいて議論がなされた。
[大学のセンター固有の問題の認識]
●明確な手法がないという点では、大学だけの問題ではなく企業も一緒ではないか。
●大学固有の問題としては、例えば[先生のわがまま問題」などがある。
●経験値からすれば、50%くらいの先生がなんらかの「わがまま」を言うように見える。
[人材管理]
●センターの中の大きな問題としては、このほか人材管理の問題がある。
●センターのアウトソーシング管理という意味なら大学センターの固有問題と
言える
●学生ベンチャーを立ち上げて欲しいと常々思うが、なかなかできない。
[ベンダー管理]
●大学と業者の関係はかならずしもひどいと言えない。企業はノウハウを持っ
ており、リーダシップをとることで問題が解決されたこともある。
●国立と私立の調達方法の相違があり、国立は長い間特定の業者と付き合えな
いという問題を抱えているため、良好な関係が築けない。
●SIベンダーが、ベンダー間をハンドリングできないばかりでなく、自社内の
ハンドリングもできないケースに遭遇する。
3 大学におけるネットワーキングに関する課題
[土屋委員長のメール]
以上に述べた現在の問題が、競争する大学の経営の問題であるとすると、
各大学が自分で考えればいい課題ということになるかもしれない。しかし、
現在の日本の大学のネットワーキングの状況が、アメリカにくらべて再び
大幅に遅れているとすると、いろいろ工夫しなければならないところがあ
るだろう。テーマとしては、
a. 事務、教務関係を含めた情報基盤(私大ではすでにたくさん取組みがあ
る)の構築、運用方法
b. 教育のネットワーク化(遠隔教育、eLearningなどを含む)へのネットワー
クとしての対応(90年代に導入して使われていない機器の問題?)
c. 研究環境、教育環境としてのコンテンツ(電子ジャーナル、教材)の管理
(図書館との関係)
d. 学生管理(しかし、もう学生に大学が一律にアカウントを出さないとい
うオプションも可能かもしれない。そうすれば大学の責任回避としても
有効。)
[大学のシステム基盤との関係]
●ネットワークからみて米国に日本が立ち遅れているとは考えられない。
●事務システムまで含めてのシステム化は遅れている
●事務システムの立遅れも、大学固有の問題と言うより企業も含めた日本の事
情ではないか
<大学の共通基盤の事例>
●オーストラリアの大学ではサン・マイクロのパッケージを利用して、CD-ROM
に教学から履修登録を含む事務手続きをすべて収めたものを全学生に配布し
ている。製作とサポートは、センターが行っている。
このようなものは日本にない。
● このような事例は研究会を立ち上げてやるとよいかもしれない
●企業の情報部門もか変えているかも知れない問題ではあるが、センターがこ
のような問題に関わることは大学経営の根幹に影響を与える。こうした問題
をセンターから提案できれば面白い。
4 今後の課題
[土屋委員長のメール]
TRAIN協会に役割があるとすると、まずはそういう情報交換組織としてであ
ろう。これはあったほうがよいし、なくなってしまえばそれはそれでよい
だろう。
なまじやすい会費をとると事務が面倒になるだけなので、やはり、有志が
手弁当でメーリングリストとウェブサイトとで運用するレベルでつづけて
みてはどうだろうか。
[TRAIN協会の優位性]
●アウトソーシング管理の問題などは、ほかの組織では議論できる場がないの
ではないか
[今後の活動]
●講演会活動は好ましくない
●お金は残すべきか使いきるべきか考えなければならない
[TRAIN協会の情報の共有]
●今までの議論やMLで出てきた議論を含めて、TRAIN協会での議論アドがデー
タベース化されるべきではないか。
●コストも手間も係って難しいかも知れない。
●MLなら最初に提起したひとがとりまとめてデータ化する責務を負えば出きる
かも知れない。
[今後についての各委員の意見]
<中山先生の議事録「*** 今後の TRAIN協会の在り方について」を参照してい
ただきたい>
各委員の意見に基づき再度、今後のあり方が議論された。
<解散について>
●出席委員の2/3が存続を希望している。存続の方向で考えざるを得ない
●組織を解散して新組織を作るという事は、現状では難しい。役職の入れ替え
で対応すべきではないか。
●役員が入れ替わることについてはほぼ合意がとれている。組織そのものをど
うするかは、議論しなければならない
<活動範囲について>
●今後の活動は自分達の情報交換との場とするのか、外部の人たちも含めた活
動をするのか
●外部を含めた活動は今後は困難
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18:30 夕食休憩
20:30 再開
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5 組織の再編成について
※以下については、オフレコとされた部分は割愛。
[組織の再編についての考え方]
<組織の存続について>
●参加運営委員の意思決定として、組織を残す方向で考える
<参加方法について>
● お金がなくなってしまったので遠方から参加する方に配慮すべき
●テレビ会議をすることも検討する
●メンバーは情報処理学会のDSM分科会に参加し、開催タイミングを同期させる
<活動方法について>
●MLだけでの活動はやがて沈滞する
●少なくとも2ヶ月に1度の会合を強制的にでも良いのでセットすべき
<活動内容について>
● MLで提案のあったものを手軽に場所を決めて開催する
● 半年に一度くらいは気軽なパーティも必要。
<残余の資金、消耗品類について>
● 新事務局にすべて引き継ぐ
● パーティやグッズ作成は、少なくとも旧委員ではやらない
<新役員候補について>
●役員候補は極力全員新しい方が良い
●旧役員は、MLなどに残り、できる限りの支援を約束する。
以上の決定に基づき、新役員候補が選出された。
[新役員と今後の対応]
<新役員の立候補者>
委員長 一井信吾
副委員長 椎橋実智男
奈古屋広昭
事務局長 鈴木浩充
監事 中山雅哉
牧野晋
(中山委員と牧野委員は運営委員を退任する)
<役員の交代時期 >
●新旧役員交代は、新役員の正式決定後できるだけ速やかに引き継ぐこととする
●12月より前の時期が良い
<運営委員の確認>
●役員交代に伴って、運営委員も任期2年終了後身分が曖昧なままになって
いるため、ML の再購読などの方法で、継続して委員となる方を再確認す
る。
<残金等の処理>
●旧事務局から新事務局へすべての金銭、物品等を引き継ぐ。
●新事務局としては、ML,DNSなどをすべて引き受けても良い
以上