第11回運営委員会議事録
日 時: | 平成15年12月25日(木) 15:30 - 18:00 |
場 所: | 武蔵大学 8号館8階 H会議室 |
出席者: 敬称略 | 一井、椎橋、奈古屋、鈴木、安藤(TV会議にて)、石田、小野、小川、杉本、中山、沼部、水谷 各委員 |
議 事
1 TV会議による運営委員会への参加
小野委員から H.323 Polycom FX によるTV会議を受け付けら
れる準備がしてあり、安藤委員(山梨大学)が接続中であるこ
とが報告された。
会場と山梨大学とは、2Mbpsで接続し、画像、音声ともに明
瞭で、一時的(数分)な画質の低下を除いて運営委員会終了時
まで非常に順調であった。
今回の成功により、今後の運営委員会にTV会議経由で参加で
きることが確認できた。ただし、スクリーンの詳細な文字の判
読は困難であるため、配布資料などを事前に送付しておくなど
の配慮が必要であることも再認識した。
2 運営委員および無線LAN業者による話題の提供
運営委員会に先立って、下記の講演等が行われた。具体的な内容、質疑応答および討論の内容については、後述の「付録」を参照。
- 「私立大学情報教育協会賞を受賞して」 椎橋実智男(
埼玉医科大学)
- 「大学キャンパスにおける Secure IP Solution 利用の
ご提案」 ルート株式会社
- 「 栄養と料理デジタルアーカイブス(ホームページ公開
〜DVD製作まで) 」 小川禮子
3 事務局報告
鈴木事務局長から以下の報告があった。
- 平成14年度の会計監査報告
- 前年度からの繰越金を除いて収入は無く、残金は約5
0万円である。
- 詳細は Web で公開する。
- 国会図書館への献本
国会図書館より、献本した第1回および第3回研究会資
料について納入を確認した旨の通知があった。
4 その他の話題
- 2006年度以後の一般情報処理教育のカリキュラム変更への対応について
- 補習のみにする、1週間くらいで集中的にやる、という
手もある
- 開講時期については、夏休みでは遅い、入学前の3月に
行うのが理想的だが文科省の了解が得られるか?
- 20数校の視察結果では、高校での取り組みはまだまだ
- 大学新入生のデジタルデバイトが激しい
センター試験には「情報」はない
英語は入試にあるので入学前に振り分けられているが、情報ではそれがない
- 初中等教育では、理系じゃないから、と逃げる学生・先生
- GUI だけでなく CUI の存在をやはり教えたい
- 最近は携帯のブラインドタッチができる学生が多いので
、PCに携帯様式のキーボード接続するという手もある?
- PHP、MySQL は実用的過ぎるかも知れない
- Java は学生に教えたくない。クラスライブラリが雑然
としていて学生が挫折
- 学生のPC環境、ネットワーク環境について
- 入学時にPCを購入させるのはいいが、古くなるのがネック
- ADSLなどの普及により、家庭の方がネットワーク環境がよくなった
- 自宅でのネットワーク環境などは大学と無関係でよいのか?
- ネットワーク関連の会合などの現状について
5 次回の開催予定
次回の運営委員会は平成16年3月13日(土)に開催する
こととし、詳細は後日決定することになった。
以上
【付 録】
1 「私立大学情報教育協会賞を受賞して」椎橋実智男(埼玉
医科大学)
- マルチメディア医学教材開発との出会いについて
- 私立大学情報教育協会賞受賞内容の紹介
- 質疑応答:
- 治療方法が間違っていると亡くなることもあるのか?
→初期診断計画までの学習のみで、治療については含
まれていない
- ひとつの症例を作成するのにどのくらいの時間がかかるのか?
→マクロメディアディレクターを使えるスキルがあれば1症例あたり1週間くらいで可能
- 医学系と工学系の連携が日本ではあまりない
- 米国では数十の州立大学による連携で類似システムを作成中
- 商業ベースにしないと資本投下が難しいのでは?
→個人的には無償配布したい
- 早く進めないと他所に先を越される
- ゲーム屋さんがやるとよい?
- 市場は小さい(全国で医学部の学生は1学年8000人くらい)
- 著作権の問題が非常に大きい
- 肖像権は心音やX線写真にもある
- 外来に来た時点で利用承諾を求める大学もある
- 珍しい症状だと、それだけで個人特定可能
- 黙って利用するとたとえ隠していても内部告発でばれる
- 肖像権や著作権がどこまで及ぶかよくわからない
- 診断前に患者に許諾を得るのが正攻法であろう
- 学内で教育に利用するのは可能だろう
- 心音そのものをシミュレーションで作成してしまえば解決?
→本当は患者さんから学ぶのが一番いい。心音くらい
は本物にしたい。
- 全国的な統一的な組織を作ってルール策定すべき。い
くつかの学会が行動を始めている。
2 「大学キャンパスにおける Secure IP Solution 利用のご提案」ルート株式会社
- 特徴:
- 無線でセキュリティ・認証
- ユーザーマネージメント機能が充実
- 付加価値(Mobility -- MobileIP)
- 質疑応答:
- MobileIPによる移動透過性が売りである
ユーザ毎に固定IPアドレスを配布
ユーザ数と同じ数のIPアドレスが必要となる
- 電波の飛び具合の管理をしたい
指向性アンテナと出力による制御は今でも市販の機器
では可能だが、もっときめ細かく制御できるか?
→完全には無理なので、電波は漏洩するという前提で
考えるべき
- 赤外線や光は指向性が強過ぎて不都合がある(人の体で
遮られてしまう)
- ベンダーとしての将来構想→端末認証から個人認証へ
- 導入費用は?
→某国立大学での導入事例
- 4キャンパス220基地局8サーバで、おおよそ8000万円
- 下請けだったので、実際にはもう少し安価。
- 電源とバックボーンネットワークは別
- 運用: プロファイルを Web で配布(このときに既存系による個人認証をかけている)
- クライアント側ソフトは、500ユーザで1200万円
- もっと安くする予定あり
- Macintosh への対応は?
→MacOS X は検討中
- ユーザ単位での強制遮断可能
- 導入によるメリットとデメリット
→運用そのものは楽なはず
ノートPC利用者増によるサポート手間の増大ということはあるかもしれない
3 「栄養と料理デジタルアーカイブス(ホームページ公開〜DVD
製作まで)」 小川禮子
(女子栄養大学)
- 概要:
- 「栄養と料理」をディジタル化したもの
- 女子栄養大学70周年記念DVD
- すでに公開されているWebアーカイブの内容を使用
- 容量の問題で CD-ROM ではなく DVD-ROM にした
- 質疑応答:
- Webのナビゲーションシステムは、上下に前後へのリンクがあるのが便利である
- 総ページ数は?
→1冊あたり、昭和初期は20ページくらい(当時は教
科書として利用していた)
- 現物は損傷が激しいが、ディジタル化することで多くの
人たちに見てもらえることもこのプロジェクトの動機のひとつ
である
- 利用法はユーザの自由、素材の提供が目的のひとつ
- アクセス数は?
→平日 7000-8000件
週末 1-2万件
非 ac.jp の一般の方からのアクセスが多い
統計解析をしてみたいとは考えている
- Web上で提供している検索は昭和30年までが範囲
- 他大学の類似例 -> 配布された紀伊国屋の資料を参照
以上